アフリカ発!Breaking News

writer : flynn

【アフリカ発!Breaking News】人種差別を助長か? アパルトヘイト時の国歌を人気シンガーが熱唱。(南ア)

アフリカーンス語で歌う人気シンガーのスティーブ・ホフメーア(Steve Hofmeyr)が、コンサートでアパルトヘイト時代の国歌を歌って話題になっている。

人気歌手スティーブ・ホフメーアが、南アフリカの北東にある町ネルスプラウトにて開催された文化フェスティバルに登場した。やんちゃでセクシーな彼はまもなく50歳を迎えるが、今も多くのアフリカーナー(アフリカ南部のオランダ系白人)に根強い人気を誇っている。およそ4万5000人の観客を前に、彼はアパルトヘイト時代の国歌『Die Stem(南アフリカの呼び声)』を熱唱した。

現在の南アフリカの国歌は、元国歌の『Die Stem』とコーサ、ズールー語の『Nkosi sikelel’ iAfrika(神よ、アフリカに祝福を)』を足して編曲したもので、1994年に故ネルソン・マンデラ氏が大統領になった後から歌われている。ひとつの国歌が多言語で編成されているのは珍しく、そのメロディーも美しい。

今回のコンサートの様子は、観客の動画がSNSにアップされて話題になった。また、ホフメーアも自身のFacebookに同じ動画を投稿している。「この歌をもっと歌っていくつもりだ。自分たちが歌いたいものを歌うのが本当の自由だ。差別や暴力を促す言葉でない限りは自由に歌うべき。この歌はアパルトヘイトが施行される20年以上も前に作られているので、差別の歌でもないし法律的にも問題はない」というのが彼の主張である。

この元国歌は、1918年に南アフリカの詩人が書いたもの。現地紙の編集者は「残念ながらこの歌は、時代背景からどうしても白人と黒人の対立という重苦しい過去を象徴してしまう。国民は再び支配者(今回はギターを持った男)に操られるのだろうか」と困惑している。さらに、「南アフリカの特にアフリカーナーと呼ばれる白人は、未成年アフリカーナーを対象に間違った方向に導こうとしているようだ。これからはすべての南アフリカ人の発展を目的に、責任ある政治を実践するよう若者を指導しなければいけない」と指摘した。

※ 画像はchannel24.co.zaのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)