通勤時間が短い上に長時間のデスクワーク。週末はどこに移動するのもマイカー。カナダの医学博士がこのほど、そうした運動不足は心臓を弱め、糖尿病の発症率を大きく引き上げることを改めて指摘した。日本も他人事ではない。いきなり駅近物件に暮らすようになった、週末はすべて車で移動という人々は要注意のようだ。
このほどカナダ「トロント大学」医学部教授のジリアン・ブース博士とその研究チームが、『PLOS One』誌に運動不足と糖尿病発症の関連性をデータで示した。トロント市内の人々に協力してもらい、日常生活での移動の手段(徒歩、自転車、車など)とそれぞれの健康状態を10年にわたって調査。予想に反することなく、よく歩く人はやはり健康を維持しており、肥満や糖尿病患者が圧倒的に少ないことが判明した。ブース博士は、2012年の「よく歩いていた人々が車に依存する生活に変わると、その半数以上が糖尿病を発症」という研究発表とあわせ、健康長寿社会を築くためにも、子供から大人までもっと歩きやすい環境づくりを行政レベルで検討する必要があり、我々も車に頼らず歩いて用を足せるような地域に暮らす方が賢明だとまとめている。
日本でもかなり人気の高い“駅近暮らし”。サラリーマン家庭にとって朝晩の通勤の大変さを思えば、食料品や日用品の買い物も駅前スーパーであっという間ということもあり、やはり駅近は便利なのだ。だが、オフィスも駅から徒歩数分以内で一日の大半がデスクワーク、おまけに週末はマイカーでショッピングやドライブという生活では、いずれは糖尿病を発症する危険性があるということ。1つ手前の駅で電車を降り、そこからせっせと歩くしかない…!?
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(TechinsightJapan編集部 Joy横手)