中国河南省洛陽市のとある小学校でこのほど、全児童が水を張った洗面器に顔をうずめ、呼吸できない苦しさを体験させたとして波紋を広げている。水に溺れるとはどういうことか、子供たちに限界まで体験させるそのやり方は物議を醸しているが、学校側は実に真剣だ。
この写真は中国のメディア『chinanews.com』が伝えたもののスクリーンショット。河南省洛陽市の「Qianzhizhuang小学校」で、児童約70名が校庭いっぱいに広がり、水の入った洗面器に息を止めて顔を浸けている様子だ。これは溺死とはどれほど苦しいものなのか、子供たちに身をもって体験させるためだという。
しかし競うように頑張ってしまう児童も多いこと、そして韓国で4月に起きた「セウォル号沈没事件」の記憶も鮮明であり、「そんな不謹慎なことを」、「無茶をさせるのは危険」と怒る保護者も多い。だがこれから水遊びのシーズンが本番を迎えることから、「意義はある」という意見も。新しい取り組みだけに、保護者や関係者の間では是非論が飛び交っているもようだ。
学校側は同メディアの取材に、「この地域は川が近く、1人で遊んでいて水難事故に遭うことが心配されます。今回の苦しい体験によって水を怖がる意識が生まれるのであれば、一定の効果が期待できると考えます」と語っている。この学校では水難事故を防ぐことに力を入れており、これまでも「保護者の監視のない場所での水遊びはしません」といった誓約書に署名させることも行ってきたという。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)