犯行はたった1分足らず。あっという間にやってきて、自転車と貴重品を奪うとすかさず去って行った。幸運なことにその一部始終が小型カメラで撮影されていたため、犯人は数日後に逮捕された。
5月31日、ケープタウン郊外にあるサイクリングコースを、36歳のフォックスさんはひとりでマウンテンバイクにまたがり滑走していた。しかし彼は標識をひとつ見落としたためにコースを外れ、タウンシップ近くのいわゆる『入ってはいけないエリア』に迷い込んでしまう。
線路を越えたあたりで突然、1人の男が銃を突きつけながら近づいてきた。そしてマウンテンバイクを降りるように言われ、貴重品をあさると携帯電話を取られた。その後別の男が近づき、マウンテンバイクを奪って行く。さらにもう1人が最初の男とフォックスさんの体を探り、何も持っていないとわかるとすかさず去っていった。
ここまで1分足らずの出来事だったが、抵抗出来なかったフォックスさんは怪我もなく、歩いてその場を後にした。
通常、このような犯行は警察に届け出るものの犯人の証拠がないため捜査は困難を極める。だが今回は、3人ともあっけなく逮捕された。
なぜならフォックスさんのヘルメットに設置してあったカメラが、犯行の一部始終を捉えていたからだ。このカメラは『GoPro』で、小さくて軽く非常に高性能。男の顔ははっきりと映っており、またフォックスさんが無抵抗に手を上げている様子も影で分かる。
ちなみに男のひとりはヘルメットについているカメラを凝視したが、それが何か分からなかったようで、すぐに踵を返すとフォックスさんを解放した。ヘルメットに興味を持たなかったおかげで、警察は動画に映っていた男3人(全員22歳)を6月2日までに逮捕。フォックスさんのマウンテンバイクや携帯電話も無事に返ってきた。
サイクリングコースの管理者は、過去2年間で自転車の強奪は2回発生したが、標識を見落とした人は初めてだという。しかし、今回の事件を考慮してルートを安全な場所に変更するように土地の持ち主と交渉していくとのことだ。
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)