カリフォルニア州マリブではここ10年ほど、海岸線の侵食によりビーチ沿いの家屋がもはや倒壊の危険性にさらされている。なんとしてもそれを防ぎたいと、そこに豪邸を構えるセレブらは「いくら支払ってもよいから早く対策工事を」と陳情しているが、自然環境保護主義者らは「お金の無駄だ」と強く反論。行政も当惑しきっている。
Aリストのハリウッドセレブが多数暮らすカリフォルニア州マリブビーチ。その中でも特に浸食が激しいと言われているのがブロードビーチで、海岸線にはダスティン・ホフマンやスティーヴン・スピルバーグ他そうそうたるメンバーが暮らしている。だが激しい波により砂浜や岩はどんどん削られて流され、頑強な基礎で築かれた100軒を超す家屋も波の直撃を受け、今にも流されんばかりだ。
セレブたちは、「埋め立てなどそれを食い止める工事とあれば、自分たちも費用負担する」と申し出ているが、行政は海岸線に暮らすひと握りの住民たちの声に応えて大工事を始めることには抵抗があるもよう。そこに、自然環境保護主義者らも物申している。近年おおしけが多発していること、海水や波が持つ破壊力は人々の想像以上であることから、「どう逆らっても自然には勝てない。お金の無駄だ」とビーチ沿いに暮らすこと自体を諦めるべきだと主張する。
少し前に、自分たちの費用負担で採石場や他の海岸から砂を運搬して埋め立てることも行っていた住民たち。これが環境保全の観点から禁止となったことにも強い不満を抱いており、その1人である著名弁護士のマーシャル・グロスマン氏は「私たちには自分たちの力で安全な暮らしを守り、ここに暮らし続ける権利がある」と主張している。住民がここまで投じた額は約20億円。お金もあり知恵もある彼らは、行政と自然環境保護主義者を相手に「あくまでも闘っていきたい」としている。
※ 画像はcoastalcare.orgのスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)