ヒトにとって母乳ほど安心、安全なものはないと主張する中国のある母親。彼女は自分の母乳で石鹸をこしらえ、通販サイトに出品。なかなかの売り上げをマークしている。しかし専門家は、消費者に安易な購入を避けるよう警鐘を鳴らしているもようだ。
中国広西チワン族自治区の南寧市に暮らすある女性。赤ちゃんを育てている彼女は、我が子に与えてもなお溢れ出る母乳をこれまでは捨てていたが、「それではもったいない」として石鹸をこしらえてみたところ、周囲からも大好評。型を利用して貝殻、亀、クマ、魚といった可愛い形をした真っ白な石鹸を製造し、いつしか中国の有名通販サイト「Taobao」の人気商品になってしまった。
「母乳には無数の栄養が含まれています。これで洗えば大人のお肌はツルツルになり、赤ちゃんのお尻はオムツかぶれ知らずですよ」という宣伝文句にも釣られてしまうのか、主な購入者はやはりママ。「母乳が主成分だから安心」として口コミも広まり、販売件数は300を超えているという。
ただしその母親は個人名を伏せており、石鹸は人体安全検査や規格適合性検査などを受けていない。そのため広西チワン族自治区人民病院のJiang Huiyun医師は、「もしも彼女がカンジダといったイースト菌感染症患者であった場合、この石鹸で手を洗えばその菌が付いてきますよ。また彼女が謳っているような栄養は、石鹸を製造する段階で多くが死んでしまうはずです」と語り、この石鹸の品質についてかなり怪しんでいる様子だ。
※ 画像は通販サイトTaobaoのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)