ギニア南部で発生しているエボラ出血熱に関し、現地に医療チームを派遣している「国境なき医師団」が、このたびの流行を“空前の勢い”と表現していたことが分かった。
このたびエボラ出血熱の久しぶりの感染者が確認されたのは、ギニア南部ゲケドゥで2月9日のこと。先月31日にはこの病がギニアの首都コナクリ、そして隣国のリベリアとシエラレオネに飛び火し、セネガル共和国がギニアとの国境を閉鎖したことをお伝えした。そのような中、現地で医療に携わっている「国境なき医師団」のコーディネーター、マリアーノ・ルグリ氏は今回の流行について大変厳しい見解を述べた。
「感染の速さと分布図を見る限り、今回のエボラ出血熱の流行は空前の勢いだと言わざるを得ません。さらに経験豊富なスタッフが現地入りし、60人体制でこの病の感染拡大を阻止し、収束に向けて努力するつもりですが、事態はかなり複雑になってきています。」
「深刻な懸念の理由は、感染の地理的な広がりだけではありません。分離や培養によってエボラウイルスには5つの系統が確認されていますが、現在流行しているのは致死率90%という非常に厄介な“ザイール型”なのです。」
また英レディング大学のウイルス学が専門のベン・ニューマン博士は、メディアに「一番恐れていたことが起こりました。1キロ平方メートルあたりの人口が1万人に届く勢いをみせている首都コナクリで感染者が出たことは、全人類の壊滅を導きかねない脅威と言えます」などと話している。最新情報では、西アフリカでのこの病の感染者はまもなく130人に達するとみられ、死者は少なくとも84人。また22人の新たな感染が疑われているもようだ。
※ 画像はworldbulletin.netのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)