西アフリカのギニア共和国南部から発生した「エボラ出血熱」がジワジワと感染者数を増やし、最新情報ではついに111人にもなってしまった。首都のコナクリでも感染者が確認され、北の隣国セネガルは国境を閉鎖した。
ギニア南部でエボラ出血熱の感染者が確認されたのは先月9日のこと。ギニア保健当局はWHO、「国境なき医師団」などの力を借りながら早期に収束を図るべく努力を払ってきたが、隣国のリベリアとシエラレオネではここ数日間に合わせて11人がこの病で死亡したことが伝えられている。
そのような中、最初の感染者が出た南部のゲケドゥから600kmも離れたギニアの首都コナクリでも、ついに8人の感染者が確認された。うち1人が死亡しており、このたびのエボラ出血熱の患者は計111人にものぼり、うち70人が死亡したことになる。また今回流行しているのは症状が極めて重篤になりやすいザイール型ウイルスだという。人口約200万人の首都での急速なアウトブレークが懸念されているが、AP通信が報じているところによれば、29日にはギニアの北に位置する隣国セネガル共和国が国境を独断で閉鎖。ギニア政府への報告は後手に回ったもようだ。
エボラ出血熱がもっとも流行したのは2007年、コンゴ共和国でのこと。その時は187人が死亡したが、なんとしてもそのような数の死者を出すまいと医療従事者も必死。専門家の中には、その経験を経てこのたびの流行に対しては万全の医療体制が取られているため、過度の心配は無用とする者もある。だが西アフリカでの流行は初めてであるため、十分な防備と警戒が必要だという声が多い。ちなみにリベリアに旅行したカナダ人男性が帰国後に体調を崩して病院に入院し、サンプルが同国の「国立微生物学研究所」に送られていた症例に関しては、幸いにも「陰性」との結果であった。
※ 画像はworldbulletin.netのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)