範囲を広げての懸命の捜索が続けられるも、事件性を否定出来ないだけに生存者がいる可能性がかなり薄れて来ている消息不明のマレーシア航空機。夫の無事をひたすら祈っているある妻が、「彼のイヤな予感が的中したようで悲しい」と肩を落としている。
クアラルンプール発北京行きのマレーシア航空機が、乗員乗客239人を乗せたまま消息を絶ってしまった。MH370というそのフライトにたまたま乗った、豪パースでメカニカル・エンジニアをしているポール・ウィークスさん(39)。ニュージーランドの出身でかつては兵士であったが、家がクライストチャーチの大地震の被害にあい、妻子とともにパースに移住。新たな暮らしをスタートさせていた。
「夫がそのフライトに乗ったのは、新しい仕事をモンゴルの鉱山で見つけたから。北京経由でそちらに向かう予定だったわ」と豪メディア『Nine Network』に伝えたのは、ポールさんの妻ダニカさん。何の虫の知らせか、そのマレーシア航空機に搭乗する前に、ポールさんは「僕に万が一のことがあったらこれらを形見に。指輪は長男が結婚する時に、そして腕時計は次男にあげて欲しい」と言いながらそれらを外し、ダニカさんの手に渡すと息子のリンカーン君(3)、ジャック君(10か月)を名残惜しそうに見つめたそうだ。
「ポールとはまだ人生を一緒に歩き始めたばかりよ。愛する彼が帰ってくることを信じているわ。諦めるなんてあり得ない」と語るダニカさん。10か国以上による大変な数の船と航空機、ヘリコプターなどが広い範囲にわたり、消息を絶ったままのマレーシア航空機の捜索を続けている。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)