米NBC『ナイトリー・ニュース』のアンカーとして活躍した著名ジャーナリストのトム・ブロコウ氏が、昨年8月にガンを宣告され治療の最中であることを明らかにした。
米NBC『ナイトリー・ニュース(NBC Nightly News)』の看板キャスターとして、長年にわたり大変な人気と評価を得ていたトム・ブロコウ氏が11日、1966年以来一緒に仕事をしてきたNBCを通じて自身がガンの闘病中であることを発表(画像はnbcnews.comが紹介した記事のスクリーンショット)した。
ブロコウ氏は昨年8月、体調不良につき有名な「メイヨー・クリニック(Mayo Clinic)」で検査を行ったところ、骨髄の中で腫瘍細胞が増殖して他の血液細胞の産生を阻害してしまう、「多発性骨髄腫」というガンに冒されていると告知され、現在治療を受けているとのこと。この病気は骨の痛みや骨折、倦怠感、出血傾向と貧血、体力の低下などあらゆる症状に悩まされるという。しかし彼は自分はとても楽天的かつ運の強い男だとして、手記ではこう述べている。
「治療に対する反応は良好らしく、医師団も家族も私も前向きな気持ちで頑張っています。また私は治療中にも仕事を続けています。ジョン・F・ケネディ暗殺事件の2時間ドキュメンタリー番組や、ソチ五輪のスポーツ報道などNBCのいくつかのプロジェクトに携わっています。」
ブロコウ氏は米サウスダコタ州出身。NBC『トゥデイ』を経て、2004年まで22年にわたりNBC『ナイトリー・ニュース』のニュースキャスターとして活躍し、CBS『イブニング・ニュース』のダン・ラザー、ABC『ワールド・ニュース』のピーター・ジェニングスとともにアメリカの三大アンカーとして讃えられていた。また第二次世界大戦世代のアメリカ人を“最高の世代”と評価する1998年の著書、『The Greatest Generation』はベストセラーとなっている。
2月6日で74歳になったばかりだというブロコウ氏。「皆さんが私のこの病に関心を持ってくださることは嬉しいのですが、私自身はこれを非常にプライベートなこととして捉えていますので、そのあたりのご理解をよろしくお願いします」と結んでいる。病に屈することなく、ジャーナリストとしてエネルギッシュに活動し続けることを誰より本人が望んでいる様子だ。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)