南アフリカのNGOの1団体が、処女の女性に賞金とメダルを授与するという企画を立ち上げた。望まない妊娠とエイズの抑制が目的だというが、賛否両論のようだ。
2月26日のローカル紙によると、リンポポ州のあるNGO団体が、処女である女性に賞金とメダルを授与するという企画を発表した。
NGO『南アフリカ・バージン・ガールズ・アワード(SA Virgin Girls Awards)』設立者、ラベラニ・ラマリさん(29)は、この企画が(レイプなどによる)望まない妊娠の抑制やエイズ対策に効果があると自信を持っている。ラマリさんはリンポポ州の小さな村に住み、4人の女性との間にできた5人の子供の父親だ。「若い女性が自身の処女を守ることで、性病や望まない妊娠を撲滅することができるのではないかと期待している」とのこと。彼は昨年11月にこの企画を発案、社会開発省に彼のNGO団体が登録されている。
2月21日に31名のボランティアを雇用し、南アフリカの学校、公共施設、教会などに申請書を配布。バージンの女性に申請してもらう予定だ。
賞金の額については最終的にはどれほど寄付金などが集まるかによって決定するとし、妥当な額は年齢が31~35歳で10万ランド(約94万円)、26~30歳で5万ランド(約47万円)、21~25歳で2万5千ランド(約23万5千円)と考えている。年齢が高いほど高額になるのは、高額を狙って処女を守り続ける人が増えるのではないかと見込んでいるからだ。受賞者は年齢に応じて金、銀、銅のメダルまでもらえる。処女かどうかの確認には各州から5名、総勢45名の医師に検査を依頼する。
この考えに賛同する者もいる一方で、これは危険であると言う者もいる。南アフリカでは依然として「処女と性交渉をするとエイズが治る」というデマを信じている人も少なくない。処女であることを公共の場で発表することで、その人が狙われることもあるのではないかと懸念している。
女性・子供・障害者省は、「エイズは女性だけの病気ではないのに、なぜ女性だけが対象となるのか」という点で人権侵害に当たると述べている。一方、エイズ対策に力を入れている保健省は、病気を撲滅しようとする企画には支援をしていくとし、今回のような発案に関する動きには前向きであった。
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)