インドのウッタル・プラデーシュ州の人々は今、どこに潜んでいるか分からないトラの存在に強くおびえている。飢えた雌のトラが1頭、獲物を狙って目をギラギラと輝かせているのだ。村の依頼を受けてハンターたちが銃を手に森に入るも、犠牲者は増えるばかりでいまだ捕獲されていない。
インドの中でも最も多くの人々が暮らしているウッタル・プラデーシュ州で昨年暮れ、100km以上北に位置する「ジム・コルベット国立公園(Jim Corbett National Park)」から逃げ出したと見られる雌のトラが、サンブハイ地方に暮らす65歳の男性を襲った。そのため州は3名のハンターを雇い、彼らは現在も銃を構えてトラの行方を追っている。
しかしいまだにトラは捕獲されない。トラのものと思われる歯や爪の跡が残された、今月7日に襲われたとみられる女性の遺体も発見され、ここまで確認されているだけでも計7名が死亡したことになる。ラクナウー県の森林当局は現地メディアに、「トラも休むこと無く走り回っている状況ですから、疲れてイライラしている上にかなり飢えていると思われます」と話しており、付近の数千名の村人たちは自宅から一歩も出られない状況が続いている。闘えばライオンを負かすと言われているトラ。雌が非常に凶暴化することも珍しくないそうだ。だが野生動物保護の専門家からは「トラはお腹が空き、本能に従って行動しているだけ。殺処分せず、しかるべき場所に戻してあげて欲しい」といった声もあがっているもようだ。
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(TechinsightJapan編集部 Joy横手)