昨年8月に米ワシントン州で起きた、男が自宅で飼い犬を爆弾で殺すという事件。ニュースは愛犬家のみならず全米市民を震撼させたが、このほど裁判所はその男に懲役1年を言い渡した。「こんな危険なことをしてたった1年で社会に戻るとは」、との疑問の声もあがっている。
米ワシントン州スカマニア郡のスティーブンソンで昨年8月5日、クリストファー・ウェイン・ディリンガムという花火販売店を経営している45歳の男が、飼っていた3歳のラブラドール・レトリバー犬を惨殺した。「この犬には悪魔がとりついている」と思い込んでいたディリンガムは、自宅の庭で犬の首に自前の爆弾を巻きつけ、そこに火をつけたのだ。
画像は、『KATU News』がその事件について報じた映像を紹介したYouTube動画のスクリーンショットである。爆発音に驚いた近隣住民が通報して保安官が現場に駆けつけたところ、庭には犬の体の組織が広く飛び散っており、爆薬により一瞬にして吹き飛ばされていたことが分かったという。犬についてディリンガムは、「以前のガールフレンドが、自分のイトコが飼いきれなくなったから世話して欲しいと置いていった犬。あの女のせいでこの犬には悪魔が棲みついているんだ」などと話したという。
あれから約5か月、スカマニア郡裁判所はこの事件を未必の故意による危害および火薬類取締法違反の罪として扱い、ディリンガムに12か月の懲役刑を言い渡した。検察側は動物虐待の罪も加えたいと食い下がったが、“虐待は苦痛を与えるもので、今回の事件のように一瞬にして殺害された例への適用は難しい”との理由から却下されている。
ディリンガムは花火を売っている立場上、爆薬の扱いには慣れている。また1人の子を持つ父親ながら多数の犯罪歴があることも判明。「金属製のものには悪霊が棲みついている」などと奇妙なことを口にしていることから、懲役1年という裁判所の判断に「それで十分なのか」といった疑問の声もあがっているようだ。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)