インドでこのほど、複数の凶悪事件の実行犯とみられる被疑者が鉄道で護送される中、付き添っていた警察官に催眠鎮静剤を盛った食料品を食べさせて逃走するという、サスペンス・ドラマさながらの事件が発生した。

極悪非道なギャングの手下となり、数十もの殺人事件および恐喝、強盗に関与しているとして今年3月に逮捕され、これまでインド・ニューデリーの拘置所にいたヴィクラム・パラス容疑者（27）。しかし25日午前、鉄道を利用しての護送中にある駅で単独下車。仲間のSUV車に乗り、逃走したことをインドの『Times of India』紙が報じている。

パラスは、ニューデリーから北西に約250km離れたパンジャーブ州バティンダである事件についての裁判に出廷していたが、25日にはそこからニューデリーに戻るため、「オールドデリー駅」に向かう列車で護送されるはずであった。付き添っていたのは銃を携帯した4人の警察官。しかしパラスは長旅であるその車内で、「皆で食べましょう」と持っていた食料品を並べたという。催眠鎮静剤が盛られているとは知らず、手を出した警察官。彼らの意識は次第に遠のき、ついに眠り込んだところでパラスはまんまと逃走してしまった。

パラスの護送中の逃走は今回が初めてではなく、昨年には「有名ブランドの服を買ってあげるよ」と付き添いの警察官を誘惑して高級衣料品店に入り、そこで行方をくらませた。常に共犯者が逃走を手助けしており、今回の催眠鎮静剤入りの食料品も彼らの差し入れとみられ、警察官の制服と拳銃が奪われていることから、犯人らは警察官を装っている可能性も高いという。

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（TechinsightJapan編集部　Joy横手）