銃が人の命を支配しかねない社会はやはり怖い。このほど米フロリダ州の有名スーパーマーケットで、従業員がある嫉妬心から発砲事件を起こした。
今月1日、フロリダ州ディアフィールドビーチにある大手スーパーチェーン『ウォルマート(Wal-Mart)』の駐車場で、ある車のウィンドウが開き、ドライバーが隣の車に向け拳銃を発砲し、逃走する様子を監視カメラが捉えていた。映像を解析したところ、なんと犯人はその店の従業員。常連客は「そんなことで感情を爆発させ、いとも簡単に発砲するような人物を雇っていたのか」と震え上がっている。
逮捕された犯人は、その店で雇われていたウィリー・ミッチェルという名の男性従業員。そして被弾により車の窓ガラスを割られてしまったのは、ウィリーと同じ部門で働いていた女性従業員のソニア・デオジーンさん。彼女が「最近ウィリーによる嫌がらせ行為に悩んでいる」と上司に相談していた中でこの事件は起きた。ウィリーは連行されたブロワード保安局で、発砲の理由をこのように述べている。
「この前、ソニアが店長から“頑張ってよく働いている”といって表彰されて、それで腹が立った。彼女が勤勉に見えたとしたら、それは俺が常に力を貸していたからさ。俺こそ表彰されるべき人物だよ。」
よくある社員啓発の制度だが、ウォルマートチェーンも各店舗が勤勉な従業員を月ごとに選び、“Employee Of The Month”というタイトルで表彰することを慣わしにしていた。好意があるからこそ献身的にソニアさんを手伝っていたはずだが、彼女が表彰された途端に「悔しくなった」とウィリー。誰かを選んで褒め称えるというやり方は、チームで働く職場の人間関係を一歩間違えば複雑なものにしてしまう。発砲こそ滅多に起きないが、この手のジェラシーが引き起こす事件は意外にも多いのではないだろうか。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)