こちらでも2010年8月にお伝えしていた、ジンバブエ東部のマランゲ採掘場における“紛争ダイヤモンド”の問題。その後続いていた西側諸国による制裁措置が先に解除され、このほどベルギーで開催されたオークションには30万カラットものジンバブエ産ダイヤが出品された。
日本では2007年に公開された、レオナルド・ディカプリオ主演の大ヒット映画『ブラッド・ダイヤモンド(原題:Blood Diamond)』により、一気に世界の人々の知るところとなった “紛争ダイヤモンド”の問題。これがなおも続いていたためにジンバブエ国営鉱山はしばらく西側諸国の制裁を受けていた。だが今年になってからそれが解除され、このほどベルギーで開催されたオークションには30万カラットという驚くべき量のダイヤが持ち込まれた。
いわゆる“紛争ダイヤモンド(=血塗られたダイヤモンド)”は、拷問のような強制労働がつきものとされる。その莫大な収入が発展途上の国の経済に役立てられることなく、大統領をはじめとする一部富裕層の懐に入るか武器の購入に充てられることに問題がある。これを無くし、採掘現場で働く人々の人権を守るために国連やダイヤモンド市場関係者などが議論を交わし、2002年には『キンバリー・プロセス認証制度』が打ち立てられた。しかしそれを守らなかったのが、ムガベ大統領率いるジンバブエ東部の国営マランゲ採掘場。2010年に『キンバリー…』の代表者会議にて、世界7位の産出高を誇るも2008年には強制労働で200人もの死者を出し、子供まで働かせているこの鉱山への制裁措置として、西側諸国への輸出を禁じることを決定した。
その制裁が解除されてから約3か月。ジンバブエ産のダイヤモンドに対する欧州企業の期待を反映してか、このたびベルギーのアントワープで行われたオークションには30万カラット、重さにして60kgものダイヤの原石が運び込まれた。主催した「アントワープ・ワールド・ダイヤモンド・センター」は、オークションという公開の場での買い取りが行われることにより、彼らの採掘場経営に透明性が生まれ、働いている国民の利益につながることを期待したいと話している。ちなみにジンバブエは昨年、800万カラットのダイヤを採掘しアラブ諸国や中国に輸出していた。
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(TechinsightJapan編集部 Joy横手)