米国発!Breaking News

writer : tinsight-yokote2

【米国発!Breaking News】「不潔な子お断り」。教師が保護者へ文書通告に非難殺到。(NY州)

ニューヨーク州のある公立教育機関で、3~4歳児向けのクラスを担当する教師から複数名の保護者宛に「不潔な子が増えています。お子さんのことをきちんと面倒みて下さい」なる文書が子供を通じて配布され、物議を醸している。

このほどニューヨーク州バッファローの「B.U.I.L.D. Academy」というスクールで、Pre-K(プリ・ケイ)という幼稚園入園準備クラスを担当する教師が数名の保護者に宛ててある文書をしたためたことにより、アメリカの教師に求められる資質をめぐる議論が波紋を広げている。

1枚の白い用紙にしたためられた問題の文書。タイトルは「緊急通告」とあり、しっかりと読んで下さいと始まるやや長い文章の一番下には、“私はこの通告を読みました”として保護者ばかりか幼稚園に入る前の年齢の子供にもサインするよう求めている。通告の内容はざっとこのようなものである。

「Pre-Kクラスの3-4歳の子供たちの数名があまりにも不潔です。服は汚れてシミだらけ、悪臭を放っています。これは健康面や安全面に関わる問題であり、保護者はもっと子供たちの面倒をみてあげて下さい。私はそういう不潔な子に近寄るのも触れるのも嫌です。」

人口の30%近くが貧困層というバッファロー地区では、このような現象は致し方ないこととして長く受け入れられてきたため、文書を受け取った保護者らは当然のように激怒。キンバリー・ウェルズさんという女性は、現地メディアの『WIVB News 4』に文書を披露した上でこう話している。

「私の孫がこのクラスでお世話になっていますが、今回の件には本当に驚いています。孫が私に『おばあちゃん、あたしってクサイのかな。先生に嫌がられているの?』なんて聞くんですよ。もちろん私は『そんなことないわ。あなたは大丈夫よ』と答えましたけれど…。」

「この先生は、教師でありながら子供たちに人種差別や人を見下すことを教えているようなもので、このような教育環境には不安を覚えます。“緊急通告”などとしないでさり気なく電話で話してみるとか、親が迎えに来た時にちょっと面談の時間を持つとか、他にもやり方はあったと思いますよ。」

「先生にもそう直談判してみましたが、こちらの言うことには一切耳をかさないといった態度でした」と呆れるウェルズさん。その後、この文書が校長や教頭の許可を得ないものであったことも明らかになり、役員会議においても是非をめぐって議論がかわされた。もっとも学校は事態の沈静化を図ろうとするも、「この教師への処分などは検討していません」としている。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)