米バージニア州選出の上院議員が、このほど自宅で20代の息子に刺されて病院に救急搬送された。息子はその直後に拳銃自殺を図ったが、精神面でトラブルを抱えており、入院が決まるもベッドの空き待ちの状態であったことが分かってきた。
米バージニア州の民主党・上院議員クリー・ディーズ氏(Creigh Deeds、55)が、19日午前に自宅で息子のガスさん(24)に刃物で頭、胸、腹など数か所を刺され、ヘリコプターでバージニア大学医療センターに救急搬送された。地元警察の広報担当者は「ディーズ氏は刺された後、家を出て近くの道路を歩いており、たまたま車を運転していたいとこがその様子に気づいて車に乗せました。911コールはその後、いとこの家から発信されています」などと説明。幸い同氏の命に別状はないもようだ。
なお事件当時、自宅にいたのはディーズ氏と息子の2人だけ。通報により同氏の自宅に駆けつけた警察官が、拳銃自殺を図った瀕死のガスさんを発見したが、病院へ搬送する間に死亡した。この事件に第三者が関与した気配はなく、なぜガスさんが父親に対して殺意を抱いてしまったのか、そして911コールが遅れた理由、家庭内の事情などを含め詳しい調査が行われている最中だという。
そのような中で見えてきたのは、ディーズ氏の4人の子のうちの1人、ガスさんが少し前からメンタル面で問題を抱えていたということ。2007年に入学したものの休みがちであったバージニア州の名門「ウィリアム・アンド・メアリー大学」を先月に中退し、この18日には精神科医療施設への入院が決まったが、空きベッドがないためにクリニックから自宅に戻されていた。
こちらの動画は、『ABC News』が現地の19日にYouTubeに投稿したもの(画像はそのスクリーンショット)である。ディーズ氏の隣の席に座っているのがガスさんだが、この頃の彼は大学を休んでは父の遊説について回っていたという。かつて実力派検事で鳴らしたディーズ氏は、人気も高かったことから2009年にバージニア州知事の座を狙ったものの、共和党のボブ・マクドネル氏に敗れ、その後に妻のパムさんと離婚していた。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)