「これでオレもサイボーグだよ！」。米ペンシルベニア州に住む、この若い男性の左下腕の内側に浮き上がった四角い膨らみは、なんとアンドロイド端末の基板だそうだ。

サイボーグというのは、スーパーパワーを発揮するためにヒトの体の器官を全能なる人工物に置き換えた、いわば改造人間のこと。そしてアンドロイドはヒトを意識して作られたロボットや人工生命体のこと。ヒトと同じような思考回路を持つことも条件である。アメリカの若い男性が今、「その2つをついに我が物にした」と豪語して話題になっている。

米ペンシルベニア州ピッツバーグ在住でソフトウェア開発を仕事にしているティム・キャノンさんは今、自らを「DIYサイボーグ。“Biohacker（バイオハッカー）”さ」と称している。「MotherboardTV」の取材を受けた彼は左下腕の内側をカメラの前にさらし、「ここにインストールしたのはアンドロイド端末の主回路基板さ。分解した後でカード状にしたものを、シロウトの手を借りながら麻酔なしで埋めてもらったよ。医者は関わっていない」と語った。その10針ちょっとの縫合部分は抜糸もまだで、皮膚は赤みを帯びて痛々しい。「手伝ってくれたのは“身体改造アーティスト”だよ。氷で感覚を麻痺させながらやってもらったんだ」とのこと。またタトゥーアーティストのスティーヴ・ハワースさんも協力したという。

ティムさんの根本にあるのは“不死身”への強い憧れ。「僕は数千年生きてみたい。そのため自分の体温のモニタリングが必要だと感じたんだ」と話す。この写真の彼は、右手で別の端末の「Bluetooth」を操作しており、左腕の中の基板とコネクトさせた途端に彼の皮膚にはグリーンのライトが点灯した。もし熱があればそれを文字で伝えて来るという。ティムさんは、自らの体の一部が美しく発光するという事実を「これは世界で初めての試みだよ」と語っている。
（TechinsightJapan編集部　Joy横手）