ドナーとして腎臓を提供した女性と、彼女から腎臓を提供されて健康を取り戻した男性。揺るぎない愛と絆、そして深い慈しみと感謝の心で結ばれた男女がこのほどめでたくウェディングベルを鳴らし、夫婦となった。
米インディアナ州インディアナポリスで今、心温まるこのニュースが話題になっている。カイル・フローリッヒさん、チェルシー・クレアさんという20代の男女が今月12日にめでたく夫婦となったが、「病める時も健やかなる時も、死が2人を分かつまで愛し慈しみ…」という有名な誓いの言葉は、2人には特別な意味をなす感慨深いものであったようだ。
新郎新婦の出会いは2009年、カイルさんが19歳、チェルシーさんが22歳の時であった。車のショーイベントを見に行って意気投合し交際が始まったが、カイルさんはある時、腎臓に問題を抱えて生体腎移植しか治す方法はないものの、長年まったく条件にマッチする提供者に出会えずにいることを告白。するとチェルシーさんは自分の腎臓を提供したいとして病院に相談し、そこで条件をすべてクリアしていることが判明したという。
チェルシーさんは地元紙『Indianapolis Star』の取材に、「父が骨髄移植を待ちながらドナーに恵まれず悔しい死を遂げていたために、私にはカイルやその家族の気持ちが痛いほど分かったの。でも私の家族はネットで腎臓摘出手術についてあれこれ調べては不安を口にし、“後悔することがあっても臓器はスーパーマーケットで買えるものではないのよ”と言ってなかなか賛成してくれなかった」と話している。
チェルシーさんの背を押してくれる人はなく、カイルさんに対する揺るぎない愛と慈しみだけが頼りという中で1年後、チェルシーさんから摘出された腎臓は無事カイルさんに移植された。恋人同士である2人は事前の通院、入院中の見舞い、その後の通院にもできる限り付き添っており、周囲はその強い絆に感心するばかりであったという。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)