2011年11月のこと、米フロリダ州で医師の資格を持たないニューハーフが自分と患者の体に異様な化学物質を注入し、「ボトックス注入」と偽っていたために逮捕されたというニュースが大変な話題を呼んだ。保釈となった後も反省することなく同様の施術を行った結果、死亡者まで出していたこの人物についに実刑判決が下された。
フロリダ州マイアミ・デイド郡で、医師の資格を持たないのに美容整形外科の看板を掲げ、尻や唇をふっくらさせる施術を格安料金で何件も行っていたオニール・モリスという32歳の男。トランスジェンダーを公言し、見かけは完全に女性という“ニューハーフ”の偽医師であるモリスがついに刑務所に入る。
美容整形の“ふっくら物質”として認可されているボトックスの入手が困難なモリスは、「キム・カーダシアンやジェニファー・ロペスのような大きなヒップが欲しい。アンジェリーナ・ジョリーのような唇が憧れ」と語る女性たちの体に、なんとタイヤのパンク修理に使用される「Fix-a-Flat」、接着剤、セメント、バスルーム用コーキング剤などを調合したドロドロの物質を注入。この写真の通り、自らの尻もそれでふくらませて客の信頼を得ていたモリスだが、ある女性が健康被害を訴えたため2011年11月に助手のコーリー・ユーバンクとともに逮捕された。
ところが保釈金を支払って自宅に戻ったモリスは、こっそりと施術を再開していたもよう。昨年にはシャターカ・ヌビーさんという30代の女性のヒップに“異物”を注入し、ヌビーさんが死亡したことを受け、同年7月に過失致死の疑いで訴追となった。
検察側も法廷で「物質の成分特定に、大変な手間と時間がかかりました」と陳情したほどの異様な物質。それを人々の体に注入し続けたモリスにマイアミ・デイド郡の裁判所は24日、来年1月7日より366日間服役するよう命じた。またモリスの違法な医療行為に加担して幇助罪に問われていたユーバンクには、1年の執行猶予が付いた。もっともヌビーさん死亡事件の裁判はまだこれから。こちらについては15年の実刑判決が下るとの情報もある。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)