久しぶりに顔を出すと太陽と抜けるような青い空。そんな晴天を想像していたら、目の前の子供たちを外で思い切り遊ばせてあげたくなった。こんな理由で休校を決断した校長先生がアメリカにいた。その心中にあったものとは…!?
今年4月、「ジャスティン・ビーバーが来るとあれば勉強どころではないでしょう。コンサートを存分に楽しんできなさい」と言って、ノルウェーの複数の学校が中間試験の日程を変更したという何とも寛容な話をお伝えした。洋をまたぎ、アメリカではこんな意外な出来事が校長の判断ひとつで起きていた。ジョージア州コロンバスにあるクリスチャンスクール、「Calvary Christian School」のレン・マクウィリアムズ校長が9日、あまりにも嬉しい決断をして生徒たちを喜ばせたのである。
「そんな日に室内で勉強ではもったいない。11日の金曜日はどうか外に出て清々しい一日を過ごしてください。学校は休みにします!」
マクウィリアムズ校長は9日、“明後日(11日)は久しぶりの晴天に恵まれそうです。華氏83度(摂氏28.3度)と穏やかで過ごしやすい一日になります”という天気予報を知り、教職員と生徒にこんな緊急告知をしたのであった。同校長は今年度いっぱいでその職を辞することが決まっており、地元紙の『Ledger-Enquirer of Columbus』やテレビ局『WTVM』の取材にはこんな風に語っている。
「私は長年、冬の荒れた天気の日には必ず休校を告知してきました。でも“学校が休みだったらいいのに”と生徒たちが感じるのは、実は素晴らしい天気の日でしょう? 私はこの教師人生において、たった一度でもいいからそんな日にこそ“休みにします”と言ってあげたかったんです。」
「こんなことをしていいのか、他の学校ではこんなことをしているのか全くわかりません。でも神様も私の後ろ盾になってくれているように思えるのです。生徒、家族、教職員、その誰もが幸せな気持ちでファミリーとともに過ごせるのであれば、きっと善いことなんだと…。」
世の中の殆どの上司と同じように、この校長先生も長いこと無視できない法令と立場と慣例に縛られてきて、リタイアの直前だからこそ「あえてその殻を破ってみよう!」と決断出来たのであろう。他の学校が同じことを真似してPTAの同意を受けるとは考えにくい。ちなみにアメリカの学校は悪天候での登校には否定的で、たった数インチの積雪や寒波にも「休校」を告知する学校が本当に多い。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)