南アフリカの元大臣で現在企業取締役であるトーキョー・セクワレ(Tokyo Sexwale)氏が、ビジネスのためニューヨークを訪問することになった。だが到着したところ、危険人物リストに記載されていたという理由でジョン・F・ケネディ国際空港にて身柄を拘束されてしまった。
トーキョー・セクワレ氏はアパルトヘイト時に反政治活動を行っており、1977年にネルソン・マンデラ氏も収容されていたロベン島に終身刑として投獄された。アパルトヘイト廃止後は与党ANCで大臣を経て、鉱山会社の非常勤取締役を務めるなど南アフリカを代表するビジネスマンである。10月27日のSABCニュースによると、セクワレ氏がアメリカ入国禁止リストに掲載されていたため、一時拘束される事態になったという。
セクワレ氏の名前は、アメリカ入国禁止リストに反アパルトヘイト活動家のひとりとして載っていた。いわゆるテロリスト扱いである。アパルトヘイト廃止後にリストから削除されていなかったために、現在でも危険人物とみなされていたのだ。なおセクワレ氏は、その後すぐに釈放されている。
セクワレ氏の弁護士は、「10年前に反アパルトヘイト活動家の名前はリストからすべて削除済と確証されたはずなのに、なぜ未だに名前が残っているのかわからない。セクワレ氏は拘束中、誰にも連絡を取ることを許されなかったことに当惑し驚いていた」そうだ。またアパルトヘイトが撤廃されて20年近く経つが、南アフリカの大物を一時的とはいえ危険人物として逮捕されたことに対して、南アフリカ国際関係協力省は「南アフリカ政府は、この件に関して以前からアメリカに何度も注意を促していた。今後、事案が解決するまで継続的に問い合わせをしていく」と述べている。
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)