ヨハネスブルグなど大都市で多発している犯罪のひとつに「スマッシュ・アンド・グラブ(smash and grab)」がある。これは信号待ちなどで停車している車の窓を割り、カバンなど貴重品を盗み逃走するというものだ。先日起こったスマッシュ・アンド・グラブ2件では犯人の1人が意識不明、1人が死亡した。
8月20日午後7時半頃、プレトリアの交差点で帰宅途中の女性ドライバーが信号待ちをしていた。信号が青に変わったそのとき、男(25)が助手席の窓を割り、女性のカバンを奪った。典型的なスマッシュ・アンド・グラブだったが、女性は負けずにカバンを掴む。カバンを引っ張り合っているうちに、女性は車のアクセルを踏みこみ、男は転倒してカバンを離してしまった。後ろを確認することなく女性はそのまま運転して帰宅、夫に相談して近くの警察へ被害届を出した。
時を同じくして、通行人から男が倒れているという報告があり、警察や救急隊員が現場へ駆けつけた。男は頭と足から血を流した状態であった。現場の様子から、この男は転倒した際に女性の運転する車体の下部に引っかかり引っ張られていたのではないかと見られている。男は病院へ搬送されたが、意識不明の重体である。
また23日夕方、ヨハネスブルグのハイウェイで帰宅途中のラッシュアワーに巻き込まれた女性もスマッシュ・アンド・グラブの被害に遭った。20代の男が女性の運転する車の窓を割りカバンをひったくって逃げたのだが、それを見ていた周囲のドライバーがそれぞれ車を降りて男を追いかけた。すると男はハイウェイの橋から飛び降りた。彼はハイウェイの橋の下にあるバス停留所の屋根に着地するはずだったが、転倒。道に叩きつけられた男は死亡した。
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)