けして治安が良いとは言えない南アフリカ国内の空港。2010年のワールドカップ開催を機にある程度改善されたように思われたが、ここにきて大統領の第5夫人が空港内で窃盗被害に遭ったようだ。
南アフリカ・ズマ大統領の第5夫人が「宝石の窃盗被害に遭った」と航空会社を相手取り、損害賠償の請求を起こしたのは今年の1月5日。請求は航空会社に却下され、その内容が5月7日に新聞紙上に公表された。それによると、事件のあった2012年12月15日、ズマ夫人はネルスプロイトにあるホテルから車で空港へ向かい、飛行機でヨハネスブルグのO・R・タンボ国際空港に到着。そこから、与党ANCの会議に出席しているズマ大統領に会うため車で430キロほど離れたブルームフォンテーンに向かった。その間に宝石は消えてしまったというのだ。
ズマ夫人が最後に宝石の入ったバッグを見たのは、飛行機に乗る前のホテルでのこと。バッグはスーツケースに入っており、空港と飛行機以外は常に夫人の側近やボディガードの監視下にあった。バッグがないことに気づいたのは、ブルームフォンテーンで催されるディナーの支度をしていたときだった。
ズマ夫人は、空港で預けたときからO・R・タンボ国際空港に到着して車に積まれる間にバッグが紛失したとして航空会社に賠償請求をした。彼女の被った損害は、ダイヤの腕輪、ホワイトダイヤやゴールドのイヤリング、ペンダントなど総額およそ50万ランド(約530万円)。宝石は保険に入っていなかった。賠償請求された南アフリカの航空会社SAエアリンクは、監視カメラの映像から、夫人のスーツケースがこじ開けられていなかったこと、従業員に嘘発見器による尋問をしたが反応がなかったことなどから証拠不十分で請求を却下した。
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)