1962年8月5日、ロサンゼルス・ブレントウッドの自宅の寝室で全裸で亡くなっているところを発見された女優のマリリン・モンロー。謎とされているその死に新たなる情報が加わりそうだ。著しく安定を欠いていた彼女の精神状態がうかがえる、そんな手紙がオークションに出品されたのだ。
世界に愛された美しいセックスシンボルでありながら、仕事に満足できずストレスを溜めていたと言われているマリリン・モンロー。36歳という若すぎる彼女の突然の死には、ご存じの通り睡眠薬による自殺説や、薬物過剰摂取による急性中毒死説、そしてジョン・F・ケネディ大統領やその弟で司法長官であったロバート・ケネディとの情事が発覚することを危惧した何者かの指示により謀殺されたという説も。依然そのなぞは解かれていない。
そのような中で、このほどモンローの直筆の手紙がオークションサイト『Profiles in History』に出品されたことが分かった。手紙は彼女に演技を教え、女優として育ててくれたリー・ストラスバーグ氏に宛てられたもので、使用されたのは「ホテル・ベルエア」の便箋と鉛筆。美しい筆記体でありながら、綴られていたのはモンローの悲痛な訴えそのものであった。
“My will is weak but I can’t stand anything. I sound crazy but I think I’m going crazy. It’s just that I get before a camera and my concentration and everything I’m trying to learn leaves me. Then I feel like I’m not existing in the human race at all.”
“もう気が狂いそうです。生きている人間という実感が、まったく無くなって来たように思います”などと師匠に訴えていたモンロー。意志の弱さに忍耐力の欠如。自分自身がコントロール不能となっており、カメラの前に立って微笑むことすら苦痛になっていた様子だ。
なお、この手紙を出品したのは有名人の秘蔵品を多数集めてきた米国在住の個人コレクターで、モンローのその手紙以外にもジョン・レノンからポール・マッカートニー&リンダ夫妻に宛てられた手紙を含む、約250の「お宝」を出品したそうだ。オークションは5月8日にスタートし、入札の期限は5月30日とのこと。モンローの手紙はおそらく3万ドルから5万ドルで落札されるものとみられている。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)