南アフリカの黒人で一番の大富豪であるビジネスマン、パトリス・モツェペ氏が、自分の財産のおよそ半分を寄付すると発表した。彼の資産の半分となると、おそらく150億ランド(約1570億円)になると思われる。
モツェペ氏はAfrican Rainbow Minerals(アフリカン・レインボー・ミネラルズ、ARM)という資源大手会社の会長である。鉄関連のAssmang(アソマン)や金生産大手であるHarmony Gold(ハーモニー・ゴールド)など国内の大手企業の権益を多く所有しているほか、大手資源企業と共同企業体で石炭などの資源を扱っている。
米経済誌『フォーブス』によると、彼は南アフリカで4番目、アフリカ大陸では6番目の富豪とランク付けされ、純資産額が299.3億ランド(約3100億円)といわれている、まさしく大富豪である。
その大富豪が1月30日、自分の資産のおよそ半分を慈善団体に寄付する予定だと発表した。モツェペ一家はマイクロソフト社の会長ビル・ゲイツ夫妻、億万長者の投資家ウォーレン・バフェット氏によって始動した「資産の半分以上をなんらかの慈善事業に寄付する」と表明する慈善プロジェクト『The Giving Pledge』に賛同を決めている。
「私のような立場にいる人が『自分たちが世界規模で何かを助けることができる』とメッセージを送らなければならない。そうすることによって、ほかの富豪たちも『寄付しよう』と思わせることができる」とモツェペ氏は語る。寄付金は『モツェペ財団』から、南アフリカやアフリカ大陸各国の人々を助けるための様々なチャリティ機関へ配分されるとのことだ。モツェペ夫妻は以前から寄付することを考えていたそうで「教育、保健、教会関係、地方共同体に寄付金が使用されるよう促している」と述べている。
「自分たちの寄与によって寄付をする人が増え、不幸を減らすことができればいい」と望むモツェペ氏。「困難や苦しみをひとりで抱えるのではなく、その苦しみを和らげる場所へと導かれるべきだ。成功した人が不幸な人を助けるのは大切なことだと思う」とも力説している。
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)