昨年11月にシドニー郊外の自宅から外出したまま行方不明となっていた18歳の少年が、極度の疲労と脱水症状に見舞われ、身体中をヒルと蚊に噛まれた状態で約9週間ぶりに発見された。
ローカル紙『Sydney Morning Herald』によると少年は今月26日、シドニー郊外ウェストリーにある自宅から約2キロメートル離れた地点で、ハイカーによって発見され警察に通報された。
発見当時、少年は脱水症状であり、また185センチメートルの身長に対し体重は約40キログラムにまで落ちるほど衰弱していたため、ヘリコプターで直ちに病院に搬送されることとなった。さらに少年の身体にはヒルがあちこちに食いついており、また蚊に刺された跡も多数残されていたものの、診察の結果、命に別条はないことが判明している。
この少年は昨年11月27日に、シドニー郊外の自宅から出かけたきり行方が分からなくなっていた。彼は携帯電話を持っていなかったため両親から連絡をとることも出来ず、少年の両親は警察に捜索願を提出、その後は警察も情報提供を呼びかけていたものの、手がかりは全くつかめないまま発見の日を迎えることとなった。
少年はその間、日除けがあるような場所に避難することなく低林地帯をひたすら彷徨い、魚やカエルを食べ、枯れかかった小川の水を飲むことでどうにか飢えと渇きから身を守っていた。だがそこは低林地帯とはいえ、よく整備されたハイキング用の道も設置されているような場所であるという。なぜ彼がそのような場所で9週間も彷徨うこととなったのかは明らかとなっておらず、これについて警察は、少年は人目の付かない奥の方へ入り込んでいたのではないかとしており、体調が元に戻り次第、当時の詳しい状況について少年から話を聴く予定であると話している。
(TechinsightJapan編集部 椎名智深)