北京首都国際空港、上海浦東国際空港と並び中国三大空港のひとつとされる広州白雲国際空港。2004年に開港した空港だが、近年、物乞いを「職業」とする人々の溜り場になっている。中国のニュースが報じたところでは、これらの人々の月収は1万元(約12万3000円)を超えるという。
このほど、国際連合国際労働機関(ILO)が発表した世界72カ国・地域の1人あたりの平均月間所得に関する統計によれば、中国人の平均月収は656ドル(約4134元)。しかし、これらの2倍以上の収入をある特殊な方法で稼ぎ出す人々が空港に集まっているという。空港で物乞いを「職業」とする人々だ。
空港関係者によると、空港に長期的に滞在しているのはおよそ30人。中には、働くのに十分な体格の人もいるそうだ。空港の物乞いたちの間で、こうした人たちは「瞎子」と呼ばれている。視覚障がい者という意味だ。しかし、実際に障がいがあるわけではなく、物乞いの際にそのように振舞うのが彼らの手口だという。その証拠として、彼らは空港スタッフが近づいてくるのを見つけると、素早く人混みの中に消えていく。
空港関係者の中には、物乞いたちが地元に帰れるようにと、バスのチケットを用意する者もいる。しかし、彼らはしばらくするとまた空港に戻ってくるそうだ。空港関係者のひとりは、「空港派出所や航空総局が何度も指導にあたっているが、物乞いたちは一向に聞く耳をもたない」と話す。
国際連合国際労働機関(ILO)が先日発表した、世界72カ国・地域の1人あたりの平均月間所得に関する最近の統計によれば、中国人の平均月収は656ドル(約4134元)。空港での物乞いたちの月収1万元がいかに多いかがわかる。しかし、彼らの中には悪質な態度をとる者もおり、空港関係者や空港利用者からは、法的に規定を設けて違反者には罰則を与えるなどの処置を取った方がいいのではないかといった声があがっている。
(TechinsightJapan編集部 片倉愛)