3日午前7時半ごろ、新北市永和区の路上で、横断歩道を渡ろうとしていた女性が走ってきたベンツにはねられ死亡する事故が起きた。警察は目撃者の通報をもとに、自宅で寝ていた加害者の男を逮捕。当時男の呼気中アルコール濃度は1.17ミリグラムで、事故を起こしたことには気が付かなかったと話している。
亡くなったのは、事故現場付近に住む77歳の女性で、この日は買い物に行く途中だったそうだ。女性の家族によれば、女性は毎朝買い物に出掛けていたが、いつも信号を守り横断歩道を渡っていたという。家族は「ルールを守る人が、ルールを守らない人に殺されるなんて耐えられない」と加害者への憤りを訴えた。
加害者逮捕には目撃者の多大な協力があったという。事故当時、加害者の後方を走っていたタクシー運転手は、前方のベンツが女性をはね、そのまま走り去るのを目撃したため、すぐに車のナンバーを控えたそうだ。そして、警察へ通報するとともに、ベンツの後を追いマンションの地下駐車場へ入っていくところまで突き止めた。
警察の調べによれば、加害者の36歳の男は現在無職。5年前に酒気帯び運転により運転免許取消処分を受けており、その後の講習にも参加していない。ベンツは友人名義でレンタルしたものだった。警察は事情聴取後、公共危険罪で男の身柄を送検するということだ。
台湾内政部の統計資料によれば、酒気帯び運転による事故で死亡した人の数は、2010年で419人、2011年で439人、2012年は1月から3月の3ヶ月で既に114人と増加傾向にある。また最近は、酒気帯び運転による事故がメディアで取り上げられることが多くなり、社会の関心が高まっている。こうした情勢を受け、立法院では5月末に酒気帯び運転による死亡事故の罰則を、最高無期懲役に厳罰化する草案が提出されている。
(TechinsightJapan編集部 片倉愛)