アジア発!Breaking News

writer : katakura

【アジア発!Breaking News】7度の死刑判決を受けた被告人が無罪釈放。台湾で新司法制度がスタート。

2010年に立法院で可決された「刑事妥速審判法」が、2年の公布期間を経て19日より施行された。適正かつ速やかな審判で被告人の基本的人権を保障することを目的とした制度で、これまで無期限だった勾留期間を最長8年に定めるなどしている。その「刑事妥速審判法」が、7度の裁判で死刑判決を受けた被告にこの度適用される。

新制度の適用で保釈が決まったのは、17年前に不動産仲介業者の男性を身代金目的で誘拐し殺害した疑いがある男で、事件に関与した他3人の男のうち2人はすでに死刑が確定しており、1人は国外に逃亡中に殺害された。

被告の男は事件後逃亡生活を始めるが、9ヵ月後弁護士に付き添われ自首。これまで8度の裁判で死刑7回、無期懲役1回の判決が言い渡されている。しかしこの間、男は無実を主張し続けており、事件への関与を決定付ける証拠も見つからなかった。

「刑事妥速審判法」では、被告人の勾留期間について一審、二審での引き延ばしは6回まで、三審では1回に限り最長8年。8年経っても判決が確定しない場合には、被告人の身柄を解放するよう定めている。また、この被告人については、250万元(約670万円)の保釈金を条件に身柄を解放されるが、出国制限や出廷義務のほか、毎週派出所に出向くことが義務付けられるということだ。

保釈された男は、「司法には失望させられた」、「無期懲役判決を受けてしまい、両親にどんな顔をして会えばいいのかわからない。今はただ家に帰って両親との時間を大切に一日一日を過ごすだけ」と話している。
(TechinsightJapan編集部 片倉愛)