台北市西門町で高校生2人がホームレスの男性に、自分たちの糞尿を混ぜた飲料をかけるという事件が起きた。被害に遭ったホームレスの男性は訴えることはなかったが、犯人である高校生たちが犯行の様子をビデオで撮影、ネット上に投稿したため事件が明るみに出た。
5月1日夜、私立強恕高校の男子学生2人が西門町の路上や椅子で寝ていたホームレスに糞尿をかけてまわった。主犯格2人のほか、撮影を担当した1人(30歳)もいたという。学生たちは犯行後すぐに逃走、その後のホームレスの反応を隠れて盗撮した。犯行の様子は『ミッション』というタイトルでネット上にアップされ、「こうやって刺激を与えたほうが、彼らの社会復帰に役立つと塾の先生が言っていた」というコメントも残されていた。
この動画を不快に思ったネットユーザーたちによる犯人捜しが始まると、学生たちは某サイトの掲示板に「ちょっとした出来心でした。反省しています。僕らはもうすぐ卒業します。どうか無事に卒業させてください。ホームレスのために、僕たち3人のフレッシュマンを犠牲にする必要はないでしょう」と書き込んだ。この投稿によりネットユーザーや世間の怒りは頂点に達し、おびえた主犯の2人は警察へ出頭。メディアの前でひざをついて謝罪した。また、主犯格の1人の母親も同席し、被害に遭ったホームレスの男性に対し、「慰謝料を支払いたい」と涙を流して詫びた。
主犯格の2人が在籍する強恕高校では、臨時会議を開きこの2人の退学処分を決定した。同校長は、「深く反省してほしいという思いから処分を決めたが、異議があれば申し立ても可能だ」と語っている。
(TechinsightJapan編集部 片倉愛)