南アフリカのケープタウンで、ATMを爆破し金を盗むという事件が今年に入ってからすでに12件も発生している。遅々として進まない捜査に、国民の警察に対する不信感も頂点に達しているようだ。
最初の犯行は今年の1月30日に起こった。犯人グループはATMに爆発物をわずか15分で巻きつけ爆破。その後金を奪い逃走した。監視カメラには逃げる7人の男達による犯人グループの姿が映し出されていた。2月には7件、3月には2件のATM強盗が発生している。そして11件目はケープタウンのパロウというショッピングセンターの外にあるATMで、武装した3人組がATM爆発後、やって来た警備員を撃ち逃走した。警備員は軽傷、盗まれた金額は不明だという。
そして12件目の事件はケープタウン市内から15キロほど離れたオッタリーという場所、大手銀行ABSAのATMがターゲットとなった。犯人は爆破後ATM内にあった金庫を持ち去ったが、いくら入っていたのかは判明していない。爆発物の種類については現時点ではまだ特定されていないが、「商業用の爆発物で、爆発物取得の際になんらかの許可を必要とするものだろうから、そこから犯人が割り出されるかもしれない」と捜査関係者は述べている。
短期間に12件もATM爆発強盗が起こっているのだが、逮捕者は今のところ1人。逮捕された男(38)はニャンガというケープタウンのタウンシップ出身で、2件のATM爆破強盗に関わっていると思われている。現在起訴されて裁判中だ。
一連の事件に関して、ある情報筋は「犯人は、低所得者層エリアに住むグループで非常に組織化されている」という。さらに犯人らは地方に住む犯罪グループとも協力していると見られ、ケープタウン以外の州から武器や鉱山で使用する爆発物を手に入れているといった情報もある。
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)