台湾台中市で、バスを利用した女性客がスマートフォンを手に持っていたことから運転手に盗撮したと勘違いされ、暴行を受ける事件が起きた。女性はスマートフォンを差し出し、盗撮していないことを証明しようとしたが、運転手の男は信じず女性を殴ったという。
暴行被害にあったのは22歳の女性で、友人の女性と市内の国立自然科学博物館へ向かう途中だったそうだ。友人の女性によれば事件当時、下車駅が近づいたので2人はすぐに降りられるようにと、ドアのそばに行き運転手に下車することを伝えた。しかし、女性が手にスマートフォンを持っているのを見た運転手は、「車内で何を撮った?」と大きな声で怒鳴ったのだ。
驚いた2人は「何も撮っていない」と声を揃えて否定し、スマートフォンを運転手に見せようとしたが、運転手は確認しようとはせず女性の顔をこぶしで殴った。さらに2人は「本当に何も撮っていない」と強調すると、運転手はドアを開け2人を降ろした。
しかし下車後、女性が車のナンバーを控えようとしていることに気が付いた運転手は、「何見てるんだ。今回は許してやるが次に会ったら殺すぞ」と狂ったように叫び発車したという。
問題があったバスの運営会社は、この運転手を事件当日夜に解雇した。女性の賠償請求にも応じる姿勢で今後、運転手への教育も強化するとしている。また、最近は乗客が車内でスマートフォンを使用するのはよく見られる光景で、「何も悪いことをしていなければ、撮られて困ることはないはずだ」と話す。
警察は運転手の男に出頭を求めるとともに、会社側が提供したバスのドライブレコーダーなどを基に、さらに調査を進めるということだ。
(TechinsightJapan編集部 片倉愛)