アパルトヘイト撤廃後のシステム変更に伴い、身分証明番号いわゆるID番号が二重発行されていることが判明した。その数12万1千人にも上るという。
3月1日内務省の発表によると、南アフリカのIDをひとつ以上持っている、またはひとつのID番号を他の人と一緒に使っているという人が12万1千人いることがわかった。
南アフリカの身分証明番号いわゆるID番号は、生年月日の数字から始まり、ある一定の法則で計13の数字が並べられている。出生登録をするとID番号が与えられ、16歳以上になるとIDブックという緑色の冊子を申請することができる。このIDブックは銀行口座を開くときや、各種契約の際に身分証明として提示を求められる。
2つのIDを持っている人が8万3千人、IDを共有している人は3万8千人とのこと。IDの二重発行の原因は、1994年のアパルトヘイト完全撤廃後に新しいIDブックを再発行することによって生じたと言われている。民主主義到来によって人種別であった内務省が融合したため、情報が錯綜し新しいIDを与えられる人がいたようだ。
市民のほうにも問題があり、新しいIDを申請する際に間違った情報を故意に提示する人もいた。たとえば借金から逃れようとする人が、IDブックをなくしたことにして新しいIDブックを申請するとする。その際に実際とは違う生年月日を言い、「古いほうの情報が間違っているのだ」と主張、すると新しいIDナンバーがもらえるというなんともずさんな仕組みだ。
子供の出生登録情報を盗み、大人のIDを作成するという手口もあるそうだ。そのため、子供がIDを申請できる年齢になり、内務省に申請すると盗んだ大人と同じIDが出てきてしまい混乱を招いてしまう。
内務省は、この二重登録などのリストに載っている人物に、内務省へ申し出て問題を解決するよう促している。内務省大臣は、全く罪のない国民が、二重IDによって仕事や銀行などに支障をきたす可能性があることを述べ、速やかに再申請するよう喚起した。
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)