南アフリカのケープタウンのランドマーク、テーブルマウンテン。そこからベースジャンピングをしたアメリカ人がいた。しかし、経験豊富な彼が誤って地上に激突、病院の集中治療室にいる彼にはさらなる悲劇が襲った。
ベースジャンピングというのはエクストリームスポーツの一種で、建物や断崖、橋や塔などの高い場所からパラシュートを使って降下する危険なスポーツ。パラシュートを開くタイミングが着地直前ということで、常に死と隣り合わせだ。
アメリカ人のジェブ・コーリスさん(35)は、エッフェル塔、ゴールデンゲートブリッジなど1000箇所以上でベースジャンピングをしている経験豊富なジャンパーである。
コーリスさんはもう1人のアメリカ人(24)と共に1月16日、テーブルマウンテンからベースジャンピングをした。しかし岩につまずき60メートル以上も崖を落ちていった。先に着地したアメリカ人は、コーリスさんがなかなか下りてこないので待っていたが、騒ぎを聞き驚いた。「もしかしたら、(原因は)強風にあおられたからかもしれないし、山にすれすれのところでジャンプをしたからかもしれない」と述べている。
コーリスさんは集中治療室で治療を受けており「だいぶましになった」と言えるほど回復しているが、そこに更なる追い討ちがかかる。テーブルマウンテン国立公園側が、コーリスさんのジャンプに許可を出していないので罰金を取るというのだ。また、ベースジャンピングを撮影していたことに対しても、許可なく撮影したとして告発すると息巻いている。
ベースジャンピングをする際には、ジャンプ地点及び着地場所の使用許可を必要としているケースが多い。テーブルマウンテンも許可が必要なのだが、コーリスさんにはその許可証を発行していないと国立公園側は主張、「彼が許可なしにジャンプをしたことは確実であり、これによって他の人が許可なく勝手にベースジャンピングをする可能性が高くなる」と懸念している。実際、ベースジャンピングの許可願いを却下された人が「なぜコーリスさんには許可したのか理由を知りたい」と国立公園に問い合わせた人もいるようだ。国立公園側はコーリスさんに対して罰金を科すことにした。
コーリスさんは両脚骨折をしたが、アメリカに帰国後右ひざの手術をすれば大丈夫だろうということだ。彼は「テーブルマウンテンが大好きだ」とコメントし、友人によるとベースジャンピングを二度としないとは言っていないそうである。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)