中国南京市の児童病院で3歳の男の子のおへそから心臓が突き出る珍しい症例が発見された。母親によれば男の子は普段、おへそから突き出た部分をおもちゃ代わりにして遊んでおり、母親も男の子をお風呂に入れる際に、お腹の中に押し込むことがあったという。

男の子の両親は、男の子は生まれつき重い心臓病を患っていたが、手術を受けるには幼すぎるため、もう少し大きくなってから手術を受けるよう地元の医師からアドバイスを受けていたと話す。しかし最近になって、男の子の体力がだんだんと落ちてきたため、心配になり南京児童病院を訪れることにしたそうだ。

診察した医師によれば、男の子のへその部分には、卵ほどの大きさの腫瘍が突き出しトクトクと鼓動していたという。検査の結果、男の子には内臓のうち心臓だけが逆の位置にある、孤立性右胸心症やファロー四徴症などの先天性心疾患があることがわかった。そして、へその部分に突き出していた腫瘍は、心臓の左心室とつながって心臓の働きをしていることがわかった。

これは、世界的にも珍しいケースで、突き出た腫瘍についても手術を始めてみなければ切除できるかどうかがわからない状態だったそうだ。しかし、幸い、男の子のもうひとつの心臓は無事に切除されたという。
（TechinsightJapan編集部 片倉愛）