米アーカンソー州北西部のトンティタウンで暮らす、19人の子だくさんのジム・ボブ・ダガーさん(46)とミシェルさん(45)夫妻。一家はその敬虔なクリスチャンとしての生活を、リアリティ番組で全米に公開して来たのだが、このほど授かった20人目の子供を妊娠5ヵ月にして流産してしまった。一家はお葬式をあげ、参列者に亡くなった胎児の小さな手や足を撮影した写真入りのメモリアルメッセージを配って、追悼を行った。
ダガー一家は、米『TLC』ネットワークのリアリティ番組『19 Kids and Counting』で一躍全米に知られるようになった。タイトルからも分かる通り、2人は84年の結婚以来9人の女の子と10人の男の子、合わせて19人の子供をもうけている。子供達は23歳を筆頭に下は最年少2歳までおり、ジョシュア、ジェイナなど全て頭文字「J」で始まる名前を持つ。ミシェルさんは88年から09年まで、ほぼ毎年一人ずつ出産していた計算になる。
夫妻は敬虔なクリスチャンで、「生まれる子供の数は、神様が決めるもの」と信じているため、このような子だくさんになった。妻のミシェルさんは19人目の女児、ジョシーちゃんを09年12月に出産後、「あと何人の子供を神様が授けてくれるかは分からないけれど、出来ればもっと子供を産みたいわ!」と話していた。
念願が叶って妻のミシェルさんが、20人目の記念すべき赤ちゃんを身ごもっていることを発表したのは11月のこと。順調に行けば、来年4月に出産予定だった。しかし今月8日、夫妻は悲しい発表をした。妊娠19週の定期検診で、赤ちゃんの心音がなくなっていて、流産という結果となってしまったのだ。赤ちゃんは「死産」という形で、11日にダガー家の自宅で生まれ出て来たそうだ。
ミシェルさんは『People』誌に「他の子供達と、男の子だった場合と女の子だった場合、それぞれの名前を考えていたの。その次の日に流産を知って、とっても悲しくがっかりしました。」と語っている。
夫妻は流産した赤ちゃんに「ジュビリー・シャローム」という名前を与え、地元の教会で14日にお葬式を開いたが、100人を超える参列客があったという。お葬式では、亡くなった胎児の小さな手や足を自らの指に乗せるミシェルさんの手のクローズアップ写真に、「この世界に足跡を残せないほど小さな足は、どこにもない」というメッセージが添えられ、メモリアルとして参列者に配布された。これらの写真は夫妻自らがネットに掲載したこともあって、瞬く間に全米を駆け巡り、一部「不適切だ」との物議を醸していた。
お葬式では、悲しみのあまり自らスピーチをすることは避けたミシェルさん。「悲しみと喪失感で一杯ですが、心の中は平和な気分でいようと思います。なぜなら人々が私達のために祈ってくれ、天使が私達の家の回りを取り囲んでくれているからです。」と録音したメッセージを流した。
しかし、一家はすでに悲劇から立ち直り始めているそうだ。夫のジム・ボブさんは「他の19人の子供達のようには、この子の成長を見守ることはできなかったけれど、いつの日か天国でまた会えると信じている。」「ジュビリーの短い人生は、同じように悲劇を経験した人々に勇気を与えてくれるはず。」と語っている。
(TechinsightJapan編集部 ブローン菜美)