インディカー・シリーズはいよいよ最終戦、16日にラスベガスでその決勝レースが行われた。しかしあっという間に15台が次々とクラッシュ。33歳のダン・ウェルドン選手が帰らぬ人となってしまった。
事故は13周目で起きた。ウェルドン選手の車はクラッシュで車体が浮き上がり、壁に激突して大破。ドライバーのダメージがあまりにもひどいという緊急事態に、空輸で「ユニバーシティ・メディカル・センター」に運ばれたが、長年のアシスタントで現在は彼の妻であるスージー・ベウムさん、セバスチャン君(2)、オリバー君(生後6カ月)が見守る中、残念ながら息を引き取った。
ウェルドン選手はこれまで2度チャンピオンに輝いている。04年にはインディ・ジャパン300マイル・レースで、そして今年久しぶりにインディアナポリス500マイル・レースで優勝していただけに、その早世はあまりにも惜しまれる。
この多重事故でトラックには破損した車体やタイヤが散乱し、他にもウィル・パワー選手を含む3人のドライバーが負傷。レースは中止となり、ランキング首位のダリオ・フランキッティ選手の優勝が決定した。インディカーの最高経営責任者ランディ・バーナードは、ウェルドン選手の無念の死を悼む声明を発表。まだ走れる他のドライバーらは同選手への哀悼と敬意を表し、トラックを5周走行した。
自動車事故は本当に悲惨なものである。混んでいる高速道路などでは、ロクに車間を開けずに縦に横にと並んで走るわけだが、自らの緊張感と周囲のドライバーの運転手腕への信頼感でその高速ペースは成り立っている。その中でもしも付近のたった1台に異変が起きてしまったら…!?
YouTubeでもそのクラッシュの様子が公開されている。相当なダメージに耐えうるはずのレース・カーであっても、スピードを出し過ぎている中では大破が避けられなかった様子がよく分かる。どうか真剣にご覧頂きたいと思う。
http://youtu.be/Sn08nh7zoto
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)