今月6日、タイ東北部ブリーラム県にて、ダイヤモンドや金など総額1000万バーツ(約2500万円)相当の宝飾品が、誤ってゴミとして捨てられてしまうという騒ぎが発生した。
ゴミとして宝飾品を出してしまったのは、ブリーラム市内の宝飾店「ペート・クンルアン」。親類の葬儀のため数日家を空けることになった店主は、万が一泥棒が入ってきてもその目をごまかせるようにと、高価な宝飾品をビニール袋に詰めゴミ箱に入れておいた。そして数日後、葬儀を終えた店主は店を開けて、お手伝いさんに掃除をするよう指示。その際、何も知らないお手伝いさんが誤って宝飾品を捨ててしまったのだ。その総額なんと1000万バーツ(約2500万円)以上である。
宝飾品が捨てられてしまったことを知り驚愕した店主は、すぐに店の前のゴミ置き場を確認したがすでに無く、そのため市内のゴミ集積場に車を走らせ場内で1時間以上探し回った。結局宝飾品を見つけ出すことはできず、警察に届け出たのである。
警察はすぐに捜索を開始し、ゴミを集めている若い男性が防犯カメラに映っているのを発見した。しかし、画質が悪くどうしても人物を特定することができないでいた。そんなとき、ある男性が警察署に現れ落とし物として宝飾品を届け出たのである。
宝飾品を届け出た男性は、県内の大学に通うティンパットさん(21)。家が貧しい彼は、土・日、および学校の長期休みの際に、自転車で市内を回ってゴミを拾うアルバイトをしていた。今回の宝飾品はその時に拾ったのだという。
ティンパットさんは宝飾品について、当初は偽物だろうと考えていた。なにせ本物の宝飾品を捨てる人などいるはずがないからである。しかし、万が一と思って周りの人びとに聞いて回ったところ、どうも本物らしいということが分かった。そこで、すぐに警察署に届けたのだという。
店主は男性の正直な行動に感謝し、学費の援助金として1万バーツ(約2万5000円)を送った。また、警察の捜査協力に対しても謝礼金として10万バーツ(約25万円)を送ったのだった。ただ、1000万バーツの落とし物に対しては、あまりに謝礼金が少ないという批判の声がタイ国内でも挙がっている。
(TechinsightJapan編集部 若曽根了太)