高校へ登校する女子高生2人。どこにでもある風景だったが、男が女子高生1人を誘拐したことで一転。17歳の少女はその後、判別できないほど焼けてしまった死体となって発見された。家族が自分の娘だと確認できたのはピアスだけだった。
10月12日朝7時ごろ、南アフリカのヨハネスブルグの隣町ロードポートで、女子高生2人は学校に向かって歩いていた。そこへグレーのトヨタハイラックスに乗った男が降りてきて、車に乗るように言ってきた。女子高生達は当然拒否したが、男は銃を出し、1人の腕をつかんで車の中へ連れ込むと去って行った。連れ去られたのはルイーズさん(17)。もう1人の無事だった女子高生は、その時は恐怖のあまり抵抗することもできなかったと語る。
残された女子高生は警察へ通報、似顔絵を作り大規模な捜索が開始された。
その日の午後、誘拐された場所から20キロほど離れたマガリスバーグにある農場主から、「人が燃えている」との通報があった。農場主は乾燥による自然火災かと思い駆けつけたところ、火の元が人間であったことから警察へと届けた。焼死体は身元がわからなくなるほど焼けていたが、家族が確認したところ、見覚えのあるピアスが耳とおへそにあったことからルイーズさんであると判明した。現在DNA鑑定中である。
犯人は20~30代、髪が茶色、似顔絵とトヨタハイラックスというのが手がかりだった。
一晩明けた10月13日朝、警察は犯人を逮捕したことを発表、異例の早さであった。朝10時半から開かれたこのプレスリリースによると、容疑者の男の車がトヨタハイラックスであること、車中にルイーズさんのものと思われる学生カバンが見つかったことから、警察は事件当初から男に目をつけていた。すると男のほうから10月13日の朝に警察へ出頭してきた。男は犯行を認めただけでなく、レイプを他にも9件行っていたことを自供したそうだ。
大事な娘を急に失った家族もつらいだろうが、生き残ったもう1人の少女も、助かった自分を責めてしまうかもしれない。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)