赤ちゃんポストに託された女児、扉を開けた消防士が“運命”を感じて養子に(米…
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2005年に国連女性地位委員会で「もったいない」を提唱した、ケニアの女性環境活動家ワンガリ・マータイさんが9月25日ナイロビで亡くなった。71歳だった。
マータイさんは1940年ケニアの農場で生まれた。アメリカの大学で修士号を、ナイロビ大学で獣医学の博士号を取得後、1971年にナイロビ大学の教授になった。そして1977年にグリーン・ベルト・ムーブメントを設立、環境活動家として知られるようになる。この活動団体は、土壌の侵食、砂漠化を防ぐために木を植える活動を行っており、現在までにアフリカ全土でおよそ4000万本もの植林をした。活動家としてだけでなく、2003年には環境副大臣に任命されケニアで活躍した。
彼女の環境活動が認められ、2004年にはノーベル平和賞を受賞、アフリカ女性、そしてケニア人として初の受賞に輝いた。
また、2005年に来日の際に「もったいない」という言葉を知り感銘を受け、国連女性地位委員会で出席者と共に「もったいない」と唱和したことでも有名である。
ケニアでは国内の政治を批判したことなどから逮捕、投獄をされたこともたびたびあり、夫から「意志が強すぎてコントロールできない」として離婚をされたこともある。
晩年は、世界で2番目に大きい熱帯雨林を持つコンゴ盆地の森を守る活動を行っていた。長い間ガンと闘い続けていたが、9月25日、3人の子供と1人の孫、愛する人々に囲まれて静かに息を引き取った。
「もったいない」という言葉は海外でなかなか通じないもの。それを世界に広めようとしてくれたマータイさんの意志は受け継がれていってもらいたい。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)