近年中国では「お見合い番組」が大流行している。その人気度は、逃亡13年の殺人犯も参加するくらいだというから驚きだ。

『新華網』が報じたところでは、昨年11月14日、黒龍江衛視のお見合い番組に出演した一人の男が注目を集めた。しかし今年5月、この男が13年前の殺人犯であることに気付いた視聴者が通報。男は6月9日に逮捕された。

吉林市のダンスホールで劇団員として働いていた男は、13年前食事の席で言い争いになった仕事仲間の間に入ったところ、被害者と口論になり、持っていたナイフで被害者を刺して死亡させた。その後、名前を偽って逃亡生活を始め、瀋陽市についてからは持ち前の演技力で結婚式の司会などを引き受けていたという。

しかし、もともと目立ちたがり屋の性格だった男は、近年のお見合い番組人気に乗っかって知名度を上げようと番組に参加。歌って踊れる男は、たちまち人気者となり、男の目論見どおりになったわけだが、出演から半年後、ネットで番組を見た視聴者により現実に引き戻された。

男は警察の調べに対し、長年名前を偽っていたため、別人になったつもりだったと話しており、「あの時、衝動的に刺してなければとっくに有名人だったのに」と後悔を漏らしたという。

「役になりきってしまう」という役者の話を聞くと、”天職なんだな”と感心する。私生活でも別人になりきったこの男。役者としてのセンスは十分だったのだろう。しかし、長年の別人生活が過信になったのか、大胆にもテレビ出演。男の夢とは裏腹に、間抜けな逃亡者として有名になってしまったわけだ。
（TechinsightJapan編集部 片倉愛）