6月3日、南アフリカのハウテン州教育省は、プレトリアにある学校の懲罰処分に関する調査を開始することを発表した。この学校はクラスメイトに毒を盛ろうとした生徒がいたり、クラスメイトをナイフで刺そうとする生徒がいたりと問題が多々出てきたからだ。
この学校は、南アフリカ行政の首都といわれているプレトリアにあるボクゴニ技術高等学校。
6月2日、2人の女子高生(16)がクラスメイトの食べ物に毒物を入れた。「彼女たちはこの計画をだいぶ前から計画していたらしい」と、被害生徒の母親は言う。女子生徒が毒が混入した食べ物を食べて嘔吐すると、2人の女子高生は「彼女を見て!吐いてるわよ。」「この後どうなるか見てみましょう。」などと面白がって言っていた。生徒の1人は本当に心配して「これは魔女の仕業だから、先生を呼ばないと。」とも言っていたそうだ。
教師はすぐに被害生徒の母親に連絡し、生徒が口から泡を吹き出したため、すぐに病院へ運ぶ処置を取った。母親もすぐに仕事場から駆けつけた。
プレトリアの新聞社は、学校が教育委員会にこの事件を報告しなかったことを知り、その事実について委員会に尋ねたところ、委員会を通じて知った教育省は「学校が報告を怠った。事態を知った今、一刻も早く解明しなければならない。」として調査を始めた。
被害者の母親はその後学校を訪問した際に、毒を入れた女子生徒2人が何事もなかったかのように授業を受けているのを目撃し、驚いている。「学校側は何の対処もしていない。被害にあった自分の子供が家でおびえているというのに、加害者はなんの罰も受けずに学校で過ごしている。学校側に尋ねたところ、『加害者の両親へ呼び出しの手紙を出し、両親らは事件に対して学校側に謝罪をした』と言った。」だけだった。
この結果に憤慨した母親は警察へ報告、2人の女子生徒を起訴することにした。警察は毒物が入っていたと思われる小さいビンを発見し、科捜研へ送ったそうだ。教育省もまた2人の女子生徒を懲罰委員会に呼び出し、処分を決めるよう動き出している。
一方、同じクラス内で生徒がクラスメイトをナイフで刺そうとした事件も起こっていることが発覚した。この件に関して教育省は現在「学校側の対応方法を見る」ことにとどまっている。
学校のシステムがしっかりしていないと、こういった事件は終わることがないだろう。そして、こういった事件が起こる限り、南アフリカの教育制度は改善されないだろう。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)