台湾の人気歌手、蕭敬騰(ジャム・シャオ)が先日出演した番組の中で、自身に読字障害があることを告白した。蕭敬騰は歌のオーディション番組で天才的な歌声を披露し、大型新人としてデビューして以来、台湾のトップアーティストとして活躍を続けてきた。そんな彼の読字障害は衝撃的な告白だった。
3月、東日本大震災のために50人のタレントやアーティストがかばんに絵を描きネットオークションで販売するというチャリティーイベントが開催された。その際、かばんを書道で綴った文字で飾った蕭敬騰。その内容紹介を促され、言葉に詰まってしまう場面があった。
蕭敬騰のマネージャーによれば、デビュー当時に受けたCM撮影では、渡された台詞を読むことができず「初めは恥ずかしいのかと思ったが、そうではないことが分かり、スタッフが何度も繰り返して読んで聞かせて覚えた」のだという。サインが必要な際にはスタッフが先に書いて見せ、それを見ながら書くのだそうだ。
ある日、蕭敬騰のアーティスト人生を生み出したオーディション番組で審査員を務めた黄韻玲(ケイ・ホアン)が蕭敬騰の現場を訪れ、その症状に気付いたという。黄韻玲は自身にも似た症状があることから、蕭敬騰の所属事務所に説明。所属事務所は蕭敬騰を病院へ連れて行き、読字障害がどういうものなのかを認識したという。
読字障害とは会話能力に問題はなく、目にも問題はないのに、文字を読むことに著しい困難を抱えるもので、日本では20人に1人が抱える問題といわれている。しかし、読字障害の人には独創的な発想ができたり、空間処理能力の高い人が多く、ピカソやエジソンなどもこういった障害を抱えていたと考えられており、黄韻玲も自身と蕭敬騰にとってこの障害故に優れた領域は音感なのだと話す。
蕭敬騰は番組の中で「もっと勉強すればよかった」と涙ながらに告白した。彼の生きる世界には文字が少なからずついてくる。そうした中での苦労から出た後悔の言葉だったのだろう。しかし、天才的と思われていた彼が、人並みならぬ努力を重ねていることを知り、これまで以上にファンは励まされていくに違いない。今後ますますの活躍を期待したい。
(TechinsightJapan編集部 片倉愛)