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2007年3月に開業した台湾高速鉄道(高鉄)。台北―高雄間を最短約90分で結び、ビジネスはもちろん、観光客にも旅程の幅が広がる便利な手段として利用されている。しかし、その高鉄が10年以内に運行不能になる可能性があるという。原因は雲林県、彰化県の地盤沈下だ。
13日、行政院公共工程委員会が明らかにしたところでは、「地下水汲み上げの問題が解決されなければ、10年以内に運行ができなくなる恐れがある」という。
これまで地盤沈下の主な原因として挙げられていた農業用水の汲み上げ。高鉄路線の近くにあった井戸はほとんどが閉鎖されたが、地盤沈下の緩和には繋がらず、委員会では農業用水の汲み上げが主因ではないと見ている。
高鉄の調査によれば、雲林、彰化では毎年7、8センチメートルのスピードで地盤沈下が進んでおり、高鉄が補強作業を続けている。
車体はJR西日本とJR東海が共同開発した新幹線700T系をモデルに、台湾の地理や気候を考慮して設計されたようだが、鉄道への考慮は十分だったのだろうか。5千億元を投入して9年がかりで完成した高鉄。その寿命が14年では、国民は納得するまい。一刻も早い原因究明が求められる。
(TechinsightJapan編集部 片倉愛)