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新北市で会社を経営する男性が銀行から借りた316万元(約880万円)をすべて硬貨で返済し話題になっている。10万枚を超える硬貨の総重量はなんと1トン。男性はクレーン車とダンプカーを出動させて銀行にお金を運んだ。
男性は、銀行から受けていた316万元の融資の返済について、分割返済を申し込んだところ、銀行側がその他の融資分も考慮し1200万元分の担保を要求したため、腹を立て、一括返済することにしたという。
「他の人は300万元を借りるのに100万元の担保で通るのに自分はその12倍を要求された。理不尽だと思う」と話す男性。すべて硬貨で返済するというのは、男性の無言の抗議だった。
しかし、316万元分の硬貨を用意するのも簡単なことではない。1つの銀行で両替できるのは1、2万元が限度なのだ。これには日頃から男性を慕う従業員たちが奔走したという。銀行や郵便局、コンビニなどを回り、1日で両替し終えた。
男性が従業員と休日返上でかき集めた316万元分の硬貨は、銀行の2台の硬貨計算機によって僅か2時間半で集計されてしまったが、男性は「不可能な任務を成し遂げてスッキリした」と満足気だった。
日本の銀行では「事務処理にかかるコストの大きさ」を理由に両替時に手数料がかかるようになって久しいが、台湾では今のところ無料で両替業務が行われている。この事件を機に台湾でも両替手数料が導入されるようなことにならなければいいのだが。
(TechinsightJapan編集部 片倉愛)