東日本大震災の発生からもうすぐ1ヶ月が経とうとしている。世界中から物資や義援金が送られる中、親日家が多いと言われる台湾から寄せられた義援金は官民合わせて100億円を超えたという。しかし、とっくに日本へ届いていると思われていた義援金が、まだ届いていない事実が明らかになった。
問題となっているのは中華民国(台湾)赤十字社に寄せられた義援金である。3月28日までに全国から集まった義援金は17億元(約50億円)。しかし、3月31日午後に開かれた理事会で緊急救援段階として送られることになったのは4.3億元(約13億円)だった。
この決定を受けて、赤十字社に日本への想いを託した国民から抗議の声が広がっている。Facebook上には「中華民国赤十字社に対し直ちに全額を日本赤十字社へ送るよう要求する」名目で署名活動が立ち上げられ、中華民国赤十字社が集まった義援金の一部しか日本へ送らず、残りは日本の計画を見てから再度決めるという内容が記された。
ネットユーザーたちは、「募金は日本の被災者のためだったのに」「すぐに助けて欲しいのに」と、理事会の決定に不満を募らせており、「理事会にはそんな民衆の気持ちに背く権利などない」として集められた義援金全額を即刻日本赤十字社へ送ることを強く要求している。
4月5日に始まったこの活動は、開始から7時間で2500人を超える署名が集まり、その後も増え続けている。更に、オンライン作家として人気のある九把刀さんがミニブログの中で中華民国赤十字社の方針を批判、国民に対し一時的に赤十字社への募金をやめるよう呼びかけている。
中華民国赤十字社は、6日九把刀さんの意見は尊重するとした上で、しかしながら募金の停止を呼びかけるのは適切ではないとコメントし、日本赤十字社への送金は引き続き行われ、すべての義援金が日本へ届くことを強調した。
(TechinsightJapan編集部 片倉愛)