アジア発!Breaking News

writer : katakura

【アジア発!Breaking News】「ドラマのロケハンです」。客の”のぞき被害”にトンデモ釈明した超有名旅館(台湾)

台北市近郊にある烏來地区は、タイヤル族文化で知られる有名な温泉地。都会の喧騒を逃れて、ホッと一息つくのにピッタリのスポットとして人気がある。そんな烏來で先日、ホテルの個室で温泉に入っていたカップルが窓ガラス越しに二人の男に覗かれる事件が起きた。しかし、カップルの男性がホテルに抗議したところ、ホテルからは「テレビ局のロケハンだった。これ以上追及しないでほしい」という答えが返ってきたという。

事件が起きたのは今月初旬の午後、一組のカップルがホテルの部屋の温泉に浸かっていると、二人の男がガラスに顔をくっつけ、中を覗き込んでいるのに気付いた。二人が利用したのは烏來地区の有名ホテル「春秋烏來渡假酒店」(スプリングパークホテル)。山と川に面したリゾートホテルで、日帰り入浴一時間1000元(約2850円)~、宿泊一泊1万4000元(約4万円)~、12歳以下の宿泊をお断りするなど、プライベート性、快適性を重視した高級ホテルである。

男性によれば、ホテルに犯人の調査を要求したが、ホテル側は当日も翌日も詳しい調査をした様子はなく、数日の時間を要求したという。ところが、数日後、男性が連絡してみると、ホテル側は「テレビ局のドラマのロケハンだった」と回答。さらに、これ以上追及しないように求めた。

高いお金を払って泊まったホテルで、のぞきに遭い、さらにはホテル側のこの対応。男性は消費者保護官に訴え、その調査で、カップルの利用した部屋の外は温水池の道になっておりプライバシーを侵害される危険度の高い場所であると判明、消費者保護法に基づいて、ホテル側に改善を求めた。また、消費者はなんらかの損失がある場合、賠償請求もできるという。

これを受けてホテルのマネージャーは「温水池と客室は設計上分かれており、温水池の利用客が客室エリアに入ってくることは考えにくい。客室の窓はプライベートガラスで通常外からは見えない」などとしているが「消費者保護官が問題ありと指摘するならば改善する」と答えた。

2002年にオープンした春秋烏來渡假酒店は、これまでにも何度かのぞき被害が出ている。大自然の中に建てられた施設は登山道から丸見えで、カメラや望遠鏡を持って登山道に現れるのぞき魔は少なくなかったようだ。これまでホテルは竹暖簾や木でその視界を遮ってきた。しかし今回の事件は起きた。一息つくはずの温泉で、いちいちそんなことを気にかけなければならないとなるといささか興ざめではあるが、やはり消費者自身も宿選びや温泉の周囲に気をつけた方がよさそうだ。
(TechinsightJapan編集部 片倉愛)