イギリスの大金持ちで、新婚旅行先の南アフリカで新妻を失ったばかりの悲劇の男性…だったはずが、実は犯罪の首謀者だったとして、12月7日イギリス時間午後11時頃、この男が逮捕された。南アフリカが犯罪の多い国という評判を逆手にとった殺人事件を企てたようだ。
イギリスの警察によると、男は12月7日に自ら出頭し、午後11時過ぎに逮捕となった。
この事件は11月13日、新婚旅行先のケープタウンで夜のタウンシップに行こうとして車が乗っ取られ、運転手と男性は降ろされ、女性だけが殺害されたというもの。女性は銃で3発撃たれて死亡している。レイプはされていないと警察側は公表しているが、発見者は「下着がおろされていた」とテレビでコメントしていたり、観光客を狙った犯行として連日ニュースで取り上げられていた。その後、タウンシップの住民からの通報などで実行犯2名が誘拐強盗殺人の罪で逮捕され、妻を失った悲劇の夫はイギリスへ帰国した。
夫である男がイギリスの警察へ出頭したのは、南アフリカで運転手が逮捕されて裁判で証言をした数時間後の出来事だった。運転手は、この夫と自分がどのようにしてニセの車の乗っ取りに加担したかを語った。
この計画は実行犯2人が車を乗っ取り、夫である男性と運転手には危害を加えることなく解放し、妻を殺害するというもの。夫は実行犯2人に16,000ランド(日本円約192,000円)を払ったという。
12月8日、この運転手は誘拐強盗殺人の罪で懲役18年を言い渡された。裁判所で傍聴していた殺害された妻の家族は涙を流してその判決を聞いていた。
事件が起こった後、ラジオでは「夫はかすり傷ひとつなかった」、「夫は大金持ちといわれているが、多額の借金を抱えている」などという情報が流されており、夫の犯行説も噂されていた。
逮捕された男の弁護士は「もちろん無実を主張している。彼は新妻を失った被害者である」と述べている。
南アフリカなど治安がよろしくないといわれている国を新婚旅行先にしようと言い出す結婚相手には、注意が必要かもしれない。それにしても犯罪の舞台として選ばれた南アフリカはいい迷惑だっただろう。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)